20101224

2010/12/24

12/23。
 父の誕生日。祖母の訃報。
 前日朝までの引越し作業のせいで疲れていたぼくは、訃報を聞いてもう一度ねむり、昼過ぎに起き、珈琲を一杯飲んで、予定通り京都へ出かけた。

 葬式には出ない。春に別れは済ませてあるし、なにより長崎の小さな島はぼくにとって遠すぎた。
 春、遺影に、と思って撮った写真をプリントしようと考えたが、本物が失われる折、写真をプリントするなんて滑稽に思えてやめた。遺影というものは急作りな方がしっくりくる。

 父からメール。祖母の死に顔の写真。ああ、これが写真なのだ。

 ぼくは坦々と生きていこう、と思う。


Scene

2010/03/30

 なぜ写真を撮るのかだとか、誰のためにだとか、そんな事はもうほとんどどうでもよくて。ぼくはそれをせざるを得なかったのだと思うし、これからも続けざるを得ないのだと思う。
 きっと、日々、そんな事を感じながら生きてきた。
 そんなわけで、写真展を開くことになった。

 明確な理由はある。結局は何もわからないままだけれど。
 
 

川渕陽介 写真展「Scene」
2010年5月10日[月] – 5月15日[土]
12:00~19:00(土曜18:00まで / 日曜休廊)
オープニングパーティ : 5月10日[月] 18:00 より

Port Gallery T
〒550-0003 大阪市西区京町堀1-8-31 安田ビル1F
地下鉄四ツ橋線肥後橋駅7番出口・本町駅28番出口より徒歩5分


11/26

2009/11/26

 死体を見た。
 その礫死体は、ぼくと、その列車に乗った数百人の時間を四十分ほど奪い、昼食の機会を奪われたぼくを苛立たせた。
 ぼくは、涙を流さなかった。だが、ぼくと、彼(あるいは、彼女)は人間だった。

 その夜、とあるミュージシャンに会った。彼は高円寺に職場があって、先日火事のあった居酒屋の近くなのだと言った。居酒屋のあった場所には、日ごとに花が積まれていったのだという。他にも缶ビールや、カップ酒が供えられ、線香がわりなのだろうか、火のついたタバコがいくつもあったそうだ。
 彼は言った。目に見えないものは、確かにあるのだ、と。

 彼らは確かに生きていた。
 ぼくは、生きている。


10/31

2009/10/31

不思議な朝だった。その夜、友人には恋人ができ、兄夫婦には子どもが生まれていた。ぼくはというと、さびれたビジネス・ホテルの一室で目を覚ました。
 ぼくは珈琲を一杯だけ飲んで、幾分軽くなった財布のことを考え、少し後悔した後、近くの喫茶店でゆっくりと昼食をとり、甥のいる病院へ向かった。
 空は気持ちのいい秋晴れで、病院へ向かう足取りは、少しずつ軽くなっていった。

 彼はとても小さかった。とりわけ、爪は豆粒よりも小さかった。狭かったのだろう、耳は顔に張り付いたような形になっていた。まだ自由に動かないだろう手を振り回し、大きな泣き声を上げていた。泣き声をあげている時の表情はとても険しく、眠った時の表情はとても穏やかだった。
 彼を見た父と母(彼にとってみれば、祖父と祖母だ)は、彼の泣き顔を見ては元気だね、といい、彼の寝顔を見ればかわいいね、と言った。彼の母は、まだつらそうにしていたが、元気に笑っていた。彼の父(つまり、ぼくの兄だ)は、とてもとても残念がりながら、しぶしぶ仕事へ向かった、と、彼女は話した。ぼくは、ガラス越しの彼の泣き顔を、寝顔を、何度もフィルムに焼きつけた。

 周平くん、誕生、おめでとう。


10/13

2009/10/13

再び、東京。
 再び、と書いたが、今年三度目の東京だ。東京で何をしていたかというと、撮影したり、展覧会に行ったり、あとは友人とお酒を飲んでいた。
 10月の東京は少し肌寒く、友人たちは笑顔で迎えてくれた。

 帰りの夜行バスの中でアイマスクをつけると、自分の体が肥大化したり、徒長したり、極端に縮んでしまったりを繰り返す感覚が襲ってきた。体に触れ、感覚が虚像であることを確かめたが、それでも信じられなかった。
 アイマスクを取り、視界を取り戻すと、ようやく虚像は去っていった。


東京

2009/08/16

8月、小旅行。東京。

 代田橋。8年前にも訪れた。記憶。山手線から少し外れた、すこし古い町並みがとてもリアルに感じて、何度もシャッターを押した。
 東京都写真美術館のコレクション展。牛腸茂雄の作品が、とてもきれいで、何度も見直した。

 出会いと、別れ。28歳の東京が、克明に心に刻まれることを、願って。


ショート・ホープ

2009/07/30

五年ほど前に、煙草を吸わなくなった。

 28歳を迎えたことを機に、というわけではないが、再びたばこを吸おうと思った。以前よく訪れた自販機を訪れると、小さく、時代は変わっていた。ぼくは taspo を持っていなかった。

 踵を返し、家に戻ると、今度はカメラと三脚を持ってセブン-イレブンへ向かった。ショート・ホープをひと箱買って表に出ると、雨が降っていた。カメラが濡れないように気をつけながら、一枚、火のついたショート・ホープを撮影した。
 五年ぶりの煙草はやはり煙草の味がした。ぼくは、あるべき姿に戻ったような気がした。だけどきっと、これも気のせいなのだろう。


7/29

2009/07/29

ちょっとしたきっかけで、また、ブログをつけることにした。いつもブログを始めては、削除してばかりなのだけれど。
 今、もういちど、すこしだけ、日々、ぼくが感じたことを、誰かに伝えてもいいのかな、と思ったから。


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